COLUMN
問いただしたら、手がかりが消えた。
浮気を問いただした後、予定や通知が見えなくなってしまうことがあります。相談前に残しておきたいのは、手元の写真やメッセージ、見聞きした日時のメモ。証拠をそろえる必要も、印刷や時系列の整理も不要です。相談に持っていく記録と残し方をお伝えします。

浮気調査の相談前の準備・持ち物は?
浮気調査の相談に、浮気を証明する証拠をそろえる必要はありません。持ち物は、ご自分のメモ、撮った写真、届いたメッセージなど、正当に手元に残せる記録です。印刷や時系列の整理は不要です。
女性カウンセラーの新木です。相談前に問いただしてしまい、以前は見えていた手がかりが見えなくなったというご相談を当支店でもよく伺います。
問いただした朝
その方が開いたのは、スマートフォンで撮ったレシートの写真。六月の日付、夜十一時四十一分、自宅近くのコンビニエンスストア。
「この日、夫は大阪に泊まっているはずだったんです」
春から出張が増え、日程は前の晩に言われるようになった。帰宅した夜には、ご主人のスマートフォンに「タナカ」から「昨日はありがとう。次は」と通知が出た。その翌朝、食卓でレシートを見つけたそうです。
「『大阪じゃなかったの?』って。自分でも、声が震えているのが分かりました」
ご主人の答えは、「大阪は日帰りに変わった。夜は同僚と飲んでいた」。そして、「レシートまで見るのか」と席を立った。
その朝から、食卓のレシートがなくなり、通知の差出人も中身も出なくなった。共有カレンダーの出張予定も消えていました。パスワードを変更され、スマートフォンは、食卓にもリビングにも置かれなくなった。
(見えていたものが、あの朝を境に、ひとつずつ消えている)
「聞かなければ、まだ見えていたのかなって」
「大阪に泊まると言われていたなら、確かめたくなりますよね。まず、いま残っている記録を見せていただけますか」
「日帰りに変わった」という説明は聞けました。けれど、それが本当かを確かめる前に、次の出張予定や連絡相手を知る手がかりが減っていました。
証拠集めは、慎重にそして淡々とです。焦ってはいけません。感情を出してはいけません。相手に悟られてはいけません。
「感情を出してはいけない」は、相手の前では、という意味です。感情は、相談室で出してください。
残っていた小さな記録
「でも、もう何も残っていないんです」
けれど、レシートの写真は残っていました。
ご主人から届いた「明日から一泊で大阪」のメッセージ。そして、通知を見た夜に書いた一行のメモ。「タナカ 昨日はありがとう。次は(ここまで)」。
(消さないでいてくださって、よかった)
メモは、ご本人が見た言葉の記録。通知そのものとは違います。
レシートだけでは、誰が買ったのか、一緒に誰がいたのかまでは分かりません。
「いま、何を確かめたいですか」
「タナカさんが誰で、出張って言って出かける日に、本当はどこにいて、誰といるのか、です」
小さな記録を、相談でどう使うのか
子どもが熱を出し、夫に電話がつながらなかった夜を、その方は「たぶん五月」と覚えていました。けれど、お薬手帳の日付は六月。自宅近くのレシートの日付と重なりました。
分かったのは、連絡が取れなかった夜が、どの出張の日だったかです。
日付が定まれば、出張の説明と、連絡が取れなかった夜を照合できます。ただ、日帰りに変わった可能性もあり、これだけで浮気が分かるわけではありません。
日付が残る記録はないか。お薬手帳は、私が聞く前に、その方から出てきたものでした。
聞かれていないことを、聞きに行く。それは、話を伺う側の仕事です。
相談までに、残しておくこと
ご自分が正当に見られる資料と、見聞きしたことを残してください。日付・時刻、どこで見たか、誰から聞いたかも一緒に。
- 見たこと・手元の資料: 浮気や不貞を示唆するやり取りのスクリーンショット、レシート・領収書の写真、過去のスケジュール表、帰宅時刻・外泊した日を書いたメモ。
- 聞いたこと: 本人が話した出張の日程・行き先・帰宅予定や、その後の説明。「明日から一泊で大阪」「日帰りに変わった」など、言われた言葉を聞いた日時と一緒に残します。
- 思ったこと: 「『タナカ』は浮気相手かもしれない」「出張の説明が変わったので、行き先を隠しているのかもしれない」「通知は読み間違いかもしれない」。確認できたことと、ご自身の受け止めを分けます。
日付が曖昧なら、「たぶん五月」「連休の前」と、そのままでかまいません。「こんなことは伝えなくていい」と消さないでください。
写真・メッセージ・メモは、スマートフォンのままで結構です。 手帳やカレンダー、正当に見られる明細もあればお持ちください。
レシートの写真は店名・日付・時刻が読めるものを。やり取りは相手の表示名・日時・前後の文面も残してください。切り抜いた画像だけでなく、元の記録も消さずにお持ちください。
出張の連絡が毎回前夜なら、調査を準備できる時間も限られます。記録は、いつ、何を確かめる調査が必要かを考える材料にもなります。 時系列の整理や、何を確かめたいのかは、相談の場で一緒に進めます。
持ち物を増やすために、無断で調べないでください。 相手の端末・アカウントへの無断アクセス、位置を知る機器の取り付け、あとをつける行為は避けてください。
※夫婦で共有していない相手のパスワードを勝手に打ち込んでスマホを見るという行為は、基本的にプライバシー侵害にあたります。ただし、通知等で浮気相手と思われる相手や内容を見てしまった場合、それを見ない限り証拠がどうしても見つけられない場合は、違法性が阻却される場合もあります。
見えなくなったものはあっても、写真と一行のメモは残っています。その方が見たものまで、なかったことにはなりません。
淡々と残すのは、記録です。気持ちまで、淡々としていなくてかまいません。
関連: 第006回 探偵が依頼をお受けしないのは、どんなとき?/ 第005回 浮気調査の相談では、何を聞かれる?/ ご相談・面談の流れ
参考
- 不正アクセスについて:警察庁「不正アクセス対策」